昭和の時代の恋愛小説 2006-04-28
目が醒めてみるとベンチの上だった。
記憶を失った「俺」が出会う衝撃の過去。真実はどこにあるのか。
かなり古い時期に書かれた作品なので、雰囲気が非常に昔風で、もの悲しい雰囲気です。元住吉の街が舞台ですが今とは様子がずいぶんと違いますね。昭和のノスタルジーを感じさせます。
なんとなく、うら寂れた雰囲気の中で描かれる愛の姿。恋人の不可解な行動。不条理に踏みにじられる小さな幸福。主人公が向き合う「過去」の重さに圧倒されてしまいました。
正直、トリックというかお話の核心部分はちょっと無理があるかな?という感じはしますが、隠された秘密が明らかになったときには、思わず今までの部分を読み返してしまいました。島田さんらしく、しっかり伏線も張ってありますし、文章も非常にしっかりした、骨太の作品だと思います。
「占星術・・・」のような本格ものというよりも、著者が20代を過ごした時代背景の中で、つらく切ない恋が描かれた作品。著者があとがきで書いていますが、「良子の思い出」というタイトルの方がぴったりとくるような気がします。
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この記事は2006/10/15に作成しました。
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