サスペンス、アクション、ミステリー、推理を中心に原作小説を紹介するブログ
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推理小説とは?
ミステリ・ミステリーとほぼ同じ意。

英語のDetectiveStoryを翻訳した単語「探偵小説」の「偵」の字が、第二次世界大戦後に制定された当用漢字表に無いことから新聞などでつかえなくなり、「探てい小説」と表記するのはみっともないという理由から採用された名称。
(1946年雄鳥社が「推理小説叢書」を発刊した時、監修者の木々高太郎が命名したとの説もあるが微妙)
エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」(1841年)が原点とされる。
犯罪事件、特に殺人事件の犯人、犯罪の方法、動機などにまつわる謎を論理的に推理、解明することに興味の重点がある小説。
近年では殺人事件に限らず、日常の謎を取り扱う作品も推理小説と区分される。ミステリと表記した場合は国内ではSFやホラー、ファンタジーまで含む広義もある。
金田一耕助The Complete―日本一たよりない名探偵とその怪美な世界金田一耕助The Complete―日本一たよりない名探偵とその怪美な世界

メディアファクトリー 刊
発売日 2004-06



かつての横溝ブームを体験した人なら必読 2004-06-03
金田一の研究書と銘打っていはいるが、横溝正史のもう一方の代表的シリー
ズのキャラである由利麟太郎と人形佐七についての記事にも誌面を割いてい
たり、金田一が登場しない小説の中からも推薦作を挙げていたりと、オール
マイティな横溝ファンへの配慮が嬉しくなる本。
勿論本書のタイトルである金田一については登場小説の紹介に始まり、活動
事件史一覧の年表や、映像化・漫画化された作品のグラフィティという各媒
体ごとのフォローが成されている。小説に出てくる複雑怪奇な人間関係も、
おもな作品は家系図や人物相関図を掲載し、読者に分りやすい誌面構成に務
めている親切さ。映像化された金田一モノに関してはスチール写真もいくつ
か掲載されているが、本書で初出となる貴重なスチールもあった。
また映画『犬神家の一族』を大ヒットさせ、空前の横溝ブームを仕掛けるこ
とになった角川春樹にもインタビューを行なっているが、良くも悪くも時代
の寵児となった彼のポリシーが伝わってくる毒舌混じりの記事がユニーク。

複数のライターが参加している書籍だけあって、部分的に個人の主観が入
り、フィルターがかかった記事が散見されたり、データに一部ミスがあるな
ど痛い箇所はあるが、それもトータル的な完成度から見れば僅かな瑕に過ぎ
ない。
表紙に70〜80年の角川文庫版のカバー絵を長年担当した杉村一文を起用する
こだわり等に、編集部の愛情を感じる渾身の一冊だ。


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犬神家の一族
横溝 正史
角川書店 刊
発売日 1972-06



犯人の行動が正当な推理小説からはずれているかもしれないが… 200
6-06-22
20年以上前初めてこの小説を読んだとき、ネタばれになるので詳しく書け
ないが、犯人が重要な物証を持ち去った理由とか、死体の後始末の顛末を最
後に知って、そりゃないよーと思った。



しかし、何回か読んでいるうちに、犯人の性格と動機、その人物をめ
ぐる関係を考えれば、犯人の「無作為の作為」や死体の後始末の顛末が自然
であるような気がしてきた。そして、それが不自然にならないように細かい
伏線が数多く張られている(当然それは事件が解決するまでは矛盾として提
示されている)のがわかってきた。



犯人の行動に関して、この作品は正当な推理小説とは言えないかもし
れないが、当時の日本では冒険的な作品だったのだろう。そして、いくつか
不自然なところはあるが、物語自体の完成度は高い。金田一耕助は名探偵で
ないという人もいる。確かにそうかもしれない。しかし、犯人の感知しない
ところで複雑になってしまったこの事件を解きほぐした彼は、この事件では
名探偵だろう(みんな死んでしまったが…)。



ドロドロのストーリーの面白さ、殺人の見立てのインパクトは圧倒的
である。著者の代表作の一つである。



余談になるが、私はこの作品の冒頭に出ていくる遺言状があまりに凄
いので本当に有効なもの多少調べてみたことがある。松子、竹子、梅子は民
法上、遺言の内容に拘わらず「遺留分」という権利を有しており、請求すれ
ばかなりの部分は相続できたようである。ただ、現行民法は昭和23年に制
定されたものである。この作品の時代設定は昭和2×年であるが、佐兵衛の
死んだ年を推測すると昭和26年頃と思われるので古館弁護士は何故これを
彼女達に言わなかったのかと、当時、一人で突っ込んでいた記憶がある。間
違っているかもしれないが…。




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八つ墓村八つ墓村
横溝 正史
角川書店 刊
発売日 1971-04



金田一作品最高のカタルシス 2006-07-09
推理小説というより、探偵小説。それよりも冒険小説というのがふさわしい
作品です。過去からの伝説、連続する殺人事件、鍾乳洞、財宝、ラブロマン
ス。ヒッチコックの巻き込まれ型サスペンスにも匹敵する優れた大作です。<
br />「祟りじゃあ」で一世を風靡した頃に初めて読んでから30年。いまだに
原作を超える映像作品はない。これからもまず無理。ならば読め。金田一も
のの中では一番のカタルシスが待ってます。


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獄門島獄門島
横溝 正史
角川書店 刊
発売日 1971-10



現代では 2006-07-09
こういう動機で犯罪が成立するのは、この時代がぎりぎり最後なんだろうな
と思います。現代はもっと不条理な動機が溢れています。
戦後、孤
島、探偵、俳句、見立て殺人。古典として雰囲気を愉しむべき作品。


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悪魔が来りて笛を吹く悪魔が来りて笛を吹く
横溝 正史
角川書店 刊
発売日 1973-02



黄金のフルート 2006-06-04
黄金のフルートから奏でられる悪魔が来たりて笛を吹くのメロディ。そこに
は悪魔を暗示する秘密が……
没落貴族ものとしては太宰治の斜陽より
面白かった。ただ近親相姦ものなので全体的には暗い。そこがまたいいのだ
か……


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悪霊島
横溝 正史 /JET
角川書店 刊
発売日 2004-10-01



原作を画にしたような作品 2004-11-15
「鵺のなく夜に気をつけろ・・」と言い残して船の上で死んでいった一人の
男。その事件を捜査する私立探偵の金田一耕助。JETさんの漫画は怖いく
らい死体が美しくてさらに怖さをそそります。「悪霊島」のほかに「鴉」と
いう作品が入った一冊です。 横溝正史ファン必見!!


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悪魔の手毬唄悪魔の手毬唄
横溝 正史
角川書店 刊
発売日 1971-07



つじつま合わせはよくできている 2006-06-04
犯人がなぜ手毬唄殺人を結構したのか一応納得できる理由にはなっている
が……趣の薄い私ならこんな手間暇の掛かる殺人は行わないだろう。

実際にはありえない殺人事件が横溝作品の魅力か。まあマニアにはたまらな
いだろうな。見立て殺人ものとしては「犬神家の一族」といい勝負。


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蝶々殺人事件―他1編
横溝 正史
春陽堂書店 刊
発売日 1998-01



必読です。 2006-06-05
横溝ミステリの特徴の一つに文体が読みやすく、且つ文章が巧いという点が
あげられると

思います。中でもこの『蝶々殺人事件』は前代未聞な魅力的なトリッ
クが読者を惹き付け

てやまない最高傑作のひとつです。それゆえ、金田一ものと比べて認
知度が低いのが残念

でなりません。春陽文庫、置いてある書店が少なすぎて・・・置いて
あっても時代物だけ

だったり。おまけに映像化されれば、由利先生は金田一になっていた
りするぐらいマイ

ナー扱いされているのが悲しいです。折角手に入る、この春陽文庫版
さえカバーのやる気

のなさといったら!(是非、手に入れてご覧になって下さい)もう、
角川でも講談社でも

いいからちゃんと企画を統一した横溝全集を出してくれませんかね
え。由利ものはおろか

金田一ものさえ一つの版元から揃わないのは個人の本棚的に美しく無
いので。



とはいっても稀代の傑作が現在入手できる事だけでも評価して星5
つ。


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文庫版 百器徒然袋―雨文庫版 百器徒然袋―雨
京極 夏彦
講談社 刊
発売日 2005-09



暴れっぷり、理不尽っぷり・無茶苦茶っぷりに拍手! 2006-07-01
名探偵・榎木津礼次郎が主役の短編集。



家柄の良い御曹司・眉目秀麗の麗人・学歴も良く、そしてこの3つを全てぶち壊す程無茶苦茶・理不尽さ全開の探偵榎木津、

そして榎木津の友人で古本屋の主であり、神主でもある本編の主役の京極堂こと中善寺秋彦、

そして理不尽に振り回され無茶苦茶な目に合う下僕達が事件を解決していく。

本編のような重さ、陰惨さ、遣り切れなさは皆無で、とにかくひたすら笑えます。

壺だらけの庭でやくざと大立ち回りをして、挙句そのやくざたちを武器に庭中の壺を破壊したり、下僕達を理不尽に振り回す様子など、暴れっぷり・理不尽っぷり・無茶苦茶っぷりが最高です!

本編に疲れた時にオススメです。


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百器徒然袋 風百器徒然袋 風
京極 夏彦
講談社 刊
発売日 2004-07-06



ひたすら痛快、痛快、痛快 2006-07-17
ご存知、超人探偵榎木津が痛快無比、言語道断、唯我独尊な活躍を見せる快作。相手構わず、世の常識をはるかに超越した活躍ぶりを見せる榎木津に読者は胸のすく思いをする。
話の体裁を整える(3作とも落ち着く所には落ち着く)ために一応京極堂も姿を見せるが、榎木津の縦横無人ぶりの活躍の前には影が薄い。
メイン・シリーズの近作「塗仏の宴」、「陰摩羅鬼の瑕」の不振ぶりを見るにつけ、「京極堂」シリーズに見切りをつけて、「榎木津」シリーズを表看板にした方が良いのではと(半ば本気で)思ってしまう。


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陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)
京極 夏彦
講談社 刊
発売日 2003-08-09



あれ? 2006-03-12
いつも京極さんの作品を見させてもらっているのですが、ようやく出た新刊
で、期待をしすぎたのか、少し拍子抜けしてしまいました。いつもの、読者
を作品の中に引きずり込むような魅力が薄れていたような感じがします。た
だ淡々と話しが進んでいくような感じでした。ネタが尽きたのでしょうかと
一瞬思いましたが、やはり二度読むとそれなりに引き込まれました。この作
品は、今までの作品とは少し違っているので、今までの作品よりこの作品の
ほうがいいという人はかならずいるでしょう。


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文庫版 姑獲鳥の夏文庫版 姑獲鳥の夏
京極 夏彦
講談社 刊
発売日 1998-09



追い込み型 2006-07-05
 本書を読み始めた時、正直その難解さに閉口しました。

 なかなか読むスピードが上がらず、読むのが苦にさえなりそうでした…(苦笑)

 しかし、なんだかんだで読み進めるうちに、ふと“京極ワールド”に引き込まれている自分がいることに気が付きました。

 それはそれはもう見事としか言いようがないくらい、きれいに
(笑)。

 中盤〜終盤なんか、もう本当にあっという間でした!

 本書は言わば『追い込み型』の本です。

 そのため、手に取ってすぐは大変だと思います(苦笑)。

 でも、途中からおもしろいくらいページをめくる手が止まらなくなります!

 騙されたと思って本書を手に取り、ちょっと我慢して読み進めてみてください。

 気付けば、そこは“京極ワールド”です。

 ソレデハ…


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巷説百物語巷説百物語
京極 夏彦
角川書店 刊
発売日 2003-06


泉鏡花賞受賞作『嗤う伊右衛門』にも登場する小股潜りの又市が、江戸の世
を舞台に悪党を退治する時代小説の第1弾。デビュー作『姑獲鳥の夏』に始ま
る「憑き物落とし」中禅寺秋彦が活躍する作品群とは、また味わいの異なる
妖怪シリーズだ。
寺への帰路で豪雨に見まわれ、やむなく途中のあばら屋に逃げ込んだ1人の
僧。小屋には白装束の御行、人形遣いの女、そして初老の商人と若い男が居
合せていた。雨宿りの余興に始まる「百物語」。一見無関係な怪談話は、意
外な符号を伴って僧の心の内で形を成す。小屋の外では「しょり、しょり」
と何者かが小豆を磨く音が。やがて僧は、恐るべき怪異と出会う…。
立ち現れるのは、江戸時代の絵師竹原春泉の『絵本百物語』に描かれる小豆
洗い、白蔵主(はくぞうす)、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻
(かたびらがつじ)の7妖怪。又市をはじめとする小悪党一味、山猫廻しのお
ぎん、事触れの治平らは巧妙な罠を十重二重(とえはたえ)に張り巡らせ、
どうにも立ちゆかない事態を「妖怪」のしわざとして収める。著者自身の言
葉を借りれば、本作は、難事件を「妖怪」と名づけて払い落とす中禅寺のシ
リーズの「裏返し」なのだそうだ。
又市は「悪党だから死んでもいいなンていううざってェ小理屈も俺達にゃァ
関係ねェ」とうそぶく。そして「悲しいねぇ」と言葉を継ぐ。登場する妖怪
たちは、人間の心の闇や業(ごう)が形を成した末の「悲しい姿」だ。そも
そも春泉の『絵本百物語』は人間の醜い心を風刺したものでもある。その業
を見据える又市の姿が、たんなる勧善懲悪の時代劇ではない深みを物語に与
えている。(中島正敏)

人の業 2006-07-17
「嗤う伊右衛門」で登場した又市が主役のこの作品。前作も又市が裏の主役
と言っても過言ではないので、又一御行シリーズ、第2弾といった作品集。
「小豆洗い」「白蔵主」は仕掛けが現実の話を巧みに摩り替えた幾編もの創
作で犯人を絡め取っていく様は巧みで素晴らしい出来。続く「舞首」「芝右
衛門狸」「塩の長司」「柳女」は何か又一一味が繰りなす、完全懲悪のよく
ある時代劇風になり、何か仕掛けもやり過ぎな気もする。単純な人情時代劇
として楽しむならこれらの方が読みやすく親しみやすいのだが、個人的には
誰かさんの決まり文句「いい仕事してるねえ」というだけの職業作家仕事に
しか見えない。暇つぶしにはなる。しかし最後の「帷子辻」がこの中では異
質な良作。京極シリーズを少し思い出す。作者の本気が垣間見られる。「後
行奉為」と決まり文句で決める又市。まるで京極堂の憑き物落としを見てい
るかの様に姿が重なるが京極堂シリーズは「罪を憎んで人を憎まず」という
社会必要悪的な見方だが、こちらの作品では悪しき行いをした犯人そのもの
を裁く。集団意識、全体主義が明確な近代を舞台にした京極シリーズと江戸
時代が舞台の本作との違いだが、江戸時代でも社会という物があり集団意識
も今の世とは違うかも知れないが存在する。妄執の形を当時の社会、世相を
正確に把握するのは不可能であるから、京極シリーズとは違い、人間個人の
妄執だけを裁く作品になっている。そういった点ではこのシリーズはやはり
作者のやっつけ仕事、お遊び的に見え真剣さに欠ける作品ととられても仕方
がないかもしれない。まあ深く考えなければ娯楽作品として巧みだし面白い
ので楽しめます。


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文庫版 塗仏の宴―宴の始末文庫版 塗仏の宴―宴の始末
京極 夏彦
講談社 刊
発売日 2003-10



塗仏の見透かす世界 2006-07-12
今回の作品のテーマのキーワードは序盤では「本末転倒」と「記憶」であり
通しでは「個人」と「全体(社会、国家、種族としての人)」である。これ
までの作品では「人格」という人間一人のレベルでのテーマだったが、本作
ではそれだけでなしに「国家」「種族」レベルに話が拡がった。過去は個人
の中にしかない、記憶が消えれば過去も消える記録された文献は改竄されて
いる可能性もあり信憑性に欠ける、次代に受け継がれた過去の記憶も伝えら
れるにつれ食違いが産まれ結果、本末転倒にもなる事もあり伝承も簡単に信
用は出来ない。つまりは個人が生きている時間、そして信じる記憶が本人に
とって最も大切と民族学研究から擬えて言っている。記憶違いであれ洗脳さ
れた偽りの記憶であれ信じていれば信じ通すのが幸せ。人は個人で生きてい
る様で実体は全体で種族として生きているだけしかない。個人か感じる主体
性など夢の様な物。脳が生み出したまやかしに過ぎない。基本がここにあり
き。ここから京極堂と黒幕それぞれの己の有り方、家族、国家の在り方が展
開されるのだが、書くと延々と続きそうなので本文(後編P510.P899.P906.P1
024.P1040.P1043)辺りをよく読んで見て下さい。最後に三星堆遺跡の縦目獣
面具に繋げる所は面白かった。あの黒幕の顔つきは金面人頭像に擬えたのか
な。そして千里眼の如き縦目の燭陰として世界を見透かしている。籠目紋も
気になる。かの人は現代の天海僧正か。天海は千里眼とも言われるし庚申絡
みの話もある。中国で何したかも気になる七三一部隊関連か。今後の作品に
も期待。


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文庫版 鉄鼠の檻文庫版 鉄鼠の檻
京極 夏彦
講談社 刊
発売日 2001-09



黒衣の男と箱根山・・・ 2006-06-30
事件への関与を嫌い、最後に重い腰を上げる・・・というのはこのシリーズ
のお約束のパターンのようだが、黒衣を身に纏った京極堂が最後に出撃する
シーンは過去四作と較べても、抜群のかっこよさだろう。「憑物落とし」を
生業とする男には深山幽谷が良く似合う。


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文庫版 絡新婦の理文庫版 絡新婦の理
京極 夏彦
講談社 刊
発売日 2002-09



自らの糸に絡まれた女郎蜘蛛 2006-06-27
京極堂シリーズ5作目。読みやすいと甘く見ていたが、侮ることなかれ。こ
のシリーズ、人物と事象が繋がっているので、本作にいたっては少なくとも
1作目「姑獲鳥」と2作目「魍魎」の本筋、人物関係を正確に覚えていない
といけない。ミステリーとしての表面上を理解するのは簡単、女性性や日本
社会の民俗学的歴史の変遷に関して薀蓄より理解するのも簡単、でも作品の
底流に渦巻く物を理解するには難しい。というか作者の製作ノートでも見せ
てもらわないと、いちいち過去の作品の細部まで覚えてないので難解にな
る。分からんと思った人に1作目を読み返させる様に出来ている。私もその
うち読み返そうかと思う。京極堂は今回は操り人形でしかなかった。何も落
としてない。最後に(構成上は最初)犯人の憑き物を落としたかもしれない
けど。現行、私の分かる範囲は犯人は結局、本来の姿を失った母権一家の中
で生きる事を拒み、本田教諭から因子を与えられ、父権社会に出てRAAな
どで新日本女性の生き方を探り、涼子の挫折に遭遇したのが犯行の動機なの
か?理想はマヌカンの如き某人になりたかったのか。でも肉体的に無理だか
ら結局、川島喜一の母の様に生きたいのか。でも社会的に無理。古の社会に
タイムスリップするしかない。犯人は恋を知らない。マヌカンは平野に恋を
したが、犯人は川島と恋をして己の居場所を見つけるのがいいのかもしれな
い。石長比売でも木花佐久夜毘売でもない絡婦人の蜘蛛の糸から開放され新
婦人になればいい。織作家に4人の子女はいらなかった。3人だったら、こ
の様な事も起こらなかったのに。


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魍魎の匣―文庫版魍魎の匣―文庫版
京極 夏彦
講談社 刊
発売日 1999-09



夢も希望もない。 2006-06-03
確かに面白い。読み始めると、最後まで一気に読めてしまう。しかし、読み
終えて、本を閉じた後で何ともいえない、嫌ーな感触が残ります。この作品
で描かれている事件は多分、宮崎勤の幼女連続殺人が一つのベースになって
いると思われますが、そのせいでしょうか、単なるフィクションとして片付
けられないような生々しさがあります。悪い夢を見そうなので、就寝前に読
むのは避けた方が無難かなと思います。




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風の盆幻想風の盆幻想
内田 康夫
幻冬舎 刊
発売日 2005-09-21



ほんわかとした雰囲気 2006-06-15
大の推理小説ファンの老母と、本書について話し合った。



母:登場する小説家の内田先生は、奔放な性格で、本書のバッファー
になっている。

私:と言っても、著者の内田先生の創作上の人物だ。

母:著者の内田先生もこんな人なのかも?

私:礼儀正しい紳士だと「思う」。ところで、交換結婚とは面白い着
想だ。

母:これはフィクションだから。本当なら、こんな事は感情的にあり
得ないって。

私:このカラクリが、幻想的雰囲気を醸し出している。

母:しかし、推理小説で、幽霊がどうのという話を持ち出すのはどう
かと思う。

私:最後まで読むと、幽霊では無かった。あれは、含蓄のあるフリ
だ。

母:そうか。しかし「悪魔の種子」「廃霊島」とは、随分雰囲気が違
うな?

私:それらは、社会派小説的な面があるが、本書は娯楽性を追求して
いる。

母:著者の作品はバラエティに富んでるね。



話は尽きないが、増子の「おわらは晴人さんと踊ります」という言葉
が印象的だ。

本書は、ほんわかとした、コミカルな雰囲気があって、気軽に楽しめ
る。


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幻の翼幻の翼
逢坂 剛
集英社 刊
発売日 1990-08



『百舌の叫ぶ夜』の後日談 2005-05-07
『百舌の叫ぶ夜』の続編。
死んだと思われていた新谷の兄が生きていた……?という話で、
ひとことで言えば後日談、言い換えれば長いエピローグとも言える。
今回の“敵”は院長が替わった稜徳会病院。
シリーズキャラクターの一人と思っていた倉木があんなことになるなど、
意外性もリーダビリティも依然として抜群なのだが、
読み終わってみると“幻の翼”というタイトルの意味が分かる仕掛けになっ
ている。
それが幻だからというか、何かスカされたような感じを抱かせる、
何か損をしているような作品。
評判が良かったからつい書いてしまった、という続編ではあるまいか?
とはいえ、それがこれだけ面白くなるんだから、逢坂剛恐るべし、ではあ
る。


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幸福の手紙幸福の手紙
内田 康夫
光文社 刊
発売日 2005-03-10



ほんとおもしろかった! 2005-03-15
ミステリーとして、旅行記として、そして人間ドラマとしても
楽しめる作品です。
犯人を当てた浅見光彦の悲しそうな表情にも注目です。


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逃げろ光彦 内田康夫と5人の女たち逃げろ光彦 内田康夫と5人の女たち
内田 康夫
実業之日本社 刊
発売日 2005-10-19



エロティックな短編集 2006-06-23
5篇の短編からなっているが、目玉は書き下ろしの「逃げろ光彦」だ。それ
以外の作品は、主に1980年代に、雑誌「問題小説」に掲載されたもの
で、この雑誌にふさわしく、エロティックな描写が行われている。それにし
ても、著者は長編にじっくりと作品に取り組むタイプなので、短編の作品は
珍しい。しかし、本書に掲載されている短編は、意外な犯人が浮かび上が
り、読み応えは十分にある。逃げろ光彦以外の作品には、もちろん浅見光彦
は登場しない。



逃げろ光彦は、短編であるが、著者の本領が濃縮されている。

なかなかスリルがあって、面白いし、登場する内田センセも

コミカルで、良い味を出している。



短編故に一気に読める。

いつもと異なる「内田ワールド」を堪能出来る。


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横浜殺人事件横浜殺人事件
内田 康夫
角川書店 刊
発売日 2002-05



横浜好きには特に嬉しい一冊 2002-07-23
今回は浅見光彦がヨコハマで活躍するお話です。
キーワードは、二つの歌「赤い靴の女の子」と「青い目の人形」。
最初の事件が「自殺」か「他殺」か、などその真相などに
浅見光彦がどんどん、冴えた推理を見せます。
舞台や浅見光彦の投宿先として、名前は変えてあったり特に
記していなかったりしますが「ホテルニューグランド」や
「テレビ神奈川」、「山手十番館」、「人形の家」など横浜在住者
のみならず一度でも旅行に行ったことのある方には嬉しい描写が
多いと思います。
ちなみに横浜近辺に住んでいる私も、この作品で初めて「外人墓地」が
山手以外にもあることを知りました。


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坊っちゃん殺人事件坊っちゃん殺人事件
内田 康夫
角川書店 刊
発売日 2003-05



浅見光彦著 2005-09-10
浅見光彦が自分で書いたという設定です。
いつも、こういうルポを書いているんだ!!という部分でも楽しめますね。
ドラマとひと味違って、こっちの方が良いや。


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エジプト十字架の謎エジプト十字架の謎
井上 勇 /エラリー・クイーン
東京創元社 刊
発売日 1959-09



人気の高い名作推理小説です 2006-02-19
本格推理小説家エラリークイーンの人気シリーズである国名シリーズの中で
も「シャム双生児の謎」と並んで人気のある1冊で、ミステリベスト100
等では必ず上位に入る1冊です。その理由としては、加害者が首を切られ、
トーテムポールのような柱に打ち付けられた姿がまるでエジプト十字架のよ
うであるといったギミックの面白さにもあると思いますが、やはり、ごく少
数の事象から、主人公のエラリークイーンが犯人を理路整然と突き止めると
いう本格推理の醍醐味にあると思います。現代のDNA鑑定のようなものが
あれば、犯人なんて一発で突き止められる、直接の筋と関係のないアイロニ
ーが多数引用される等々、難癖をつけるのも簡単なのですが、それを補って
余りある爽快さのある推理小説の名作です。


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間違いの悲劇間違いの悲劇
エラリー・クイーン
東京創元社 刊
発売日 2006-01-20



エラリー・クイーン “最後の聖典” ! 2006-03-10
本書はエラリー・クイーンの最新長編になるはずだった小説の精細なシノプ
シス(梗概)、『間違いの悲劇』と単行本未収録の7つの中・短編からなっ
ている。



「本格パズラー」の巨匠エラリー・クイーンの“最後の事件”となれ
ば、私のような、少年時代からクイーンの諸作品を読むことで育てられたミ
ステリーファン、なかんずく「本格パズラー」のファンとしては、たとえ梗
概でも読まずにはいられない。



『オセロー』をミステリー風に脚色すべく奮闘していたエラリーは、
往年の大女優が『ハムレット』の舞台と同じ名で呼ばれる城で怪死したと聞
き、シェークスピアの呪縛に苦悩しつつ推理を展開する。



諸般の事情で小説化されなかったのは残念だが、梗概とはいえ、クイ
ーンらしい「本格のコード」が随所にちりばめられていて、そのテイストを
十分味わって読むことができた。



なにしろ’74年邦訳(アメリカでは’71年発表)の長編『心地よ
く秘密めいた場所』以来32年。もうクイーンの新作は絶対読めないとあき
らめていただけに、この梗概に触れることができて、それだけでもう感動モ
ノである。



また本梗概により、リーとダネイによる合作作家‘エラリー・クイー
ン’の コンビの秘密を興味深く覗き見ると共に(ダネイが本梗概のような緻
密なプロットを考案し、リーがそれを巧みな描写で小説化するといわれてい
る)、リーが作品として完成させる前の、生(き)のエラリー・クイーンの
姿を見ることができた。



併録されているほかの7編もファンにとってはこたえられない“クイ
ーンらしさ”があふれる逸品揃いで、私もクイーンの諸作品を興奮して読ん
だ若き日々をなつかしく思い出した。




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Yの悲劇Yの悲劇
エラリー・クイーン
東京創元社 刊
発売日 1959-09



最後の謎 2005-12-07
いわずと知れた古典的名作の一つ。全体に漂う異様な雰囲気、犯人の意外性
は他のクイーン物の中でも突出しているといえるでしょう。ただし、クイー
ン得意の論理的解決が必ずしも成功しているかはちょっと疑問があります(特
にマンドリンの問題)。そもそも犯人が犯人だけに`論理的`に解けるものでは
ないですけど。キーとなる状況証拠の提示も読者がよく見ないと見落として
しまいます。そして、この作品の最大の謎は最後のページにあります。サム
警部の疑問に対してレーンは返答していません。文脈からすると…


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Xの悲劇Xの悲劇
鮎川 信夫 /エラリー・クイーン
東京創元社 刊
発売日 1970-10



非常に巧く構成された犯罪パズル小説 2005-08-26
アメリカではしばしばエラリー・クイーンの最高傑作と賞されるこの作品、実
際読んでみて出来の良さに感心しました。舞台設定、登場人物、(文章上
の)手掛かりの隠し方などとても興味深く、現実離れした物語なのに妙に説
得力があります。意外な犯人や巧妙な殺害手口が無い(私にとっては)にも
かかわらず、それを補うだけの魅力も他にたっぷりあると思います。難を言
えば、推理の過程に多少納得出来ない部分があり(結局解答無しという疑問
さえある)Drury Laneはちょっとやり過ぎの観もあるけれど、それでも充分
楽しめるし良質の犯罪パズル小説を読んでいる手応えを多分に感じさせる作
品です。


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ギリシア棺の謎ギリシア棺の謎
エラリー・クイーン
東京創元社 刊
発売日 1959-09



必読の書 2006-06-21
この作品はエラリー・クイーンを語るには読んでおかなければいけない作品
です。

国名シリーズの中で、『エジプト十字架の謎』と一位、二位を争う傑
作ですし、推理の論理性、犯人の意外性もあり、とても読みがいがありま
す。

厚いですが、読んで損はないと思います。


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ローマ帽子の謎ローマ帽子の謎
エラリー・クイーン
東京創元社 刊
発売日 1960-12



エラリー・クイーンのデビュー作 2006-07-02
エラリー・クイーンのデビュー作にして国名シリーズ第1弾であるこの作
品。

デビュー作であるにもかかわらずエラリー・クイーンの論理的なスタ
イルはこの時点で完成している。

私はデビュー作だから標準程度の作品だと思って読み始めたのだが、

謎が多数散りばめられていて、飽きずに最後まで読むことができた。

解決編も他のシリーズに劣らない論理性でとても納得できた。

推理小説好きで無くとも、読んで損はないだろう。


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エラリー・クイーン Perfect Guideエラリー・クイーン Perfect Guide
飯城 勇三
ぶんか社 刊
発売日 2004-12



おっしゃる通り! 2006-04-18
やはり問題は表紙ですね。金田一の世界ではピッタリですが、クイーンのア
ールデコの時代には、くどい絵柄なのです。マッスルな上に、襟足カールし
ているし。「名探偵の世紀」の喜国雅彦先生、古き良き時代を描きこなす萩
尾望都先生や、BL系の作家さんの中にも雰囲気の合う絵柄はたくさんあると
思います。内容だけなら繰り返し読める(文庫版の特典も満足で購入しまし
た)面白さなので、星5つ。


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